イスマイール・サーマーニー廟は892年から944年にかけて造られた中央アジア最古のイスラームの建造物です。ここはサーマーン朝の2代目の君主イスマイールの霊廟で、かつては父親のアフマドやその他の棺も納められていました。905年ごろに完成したと言われ、安全な形で残っているサーマーン朝期の建築物として唯一の物です。
この廟はイスラームの初期の建築様式の霊廟であるため、世界中の建築家や考古学者に注目されています。9世紀の終わりにブハラを占領したサーマーン朝のイスマイール・サーマーニーが自分の父親のために建設した霊廟ですがイスマイールが亡くなってから彼自身や彼の孫もここに葬られて、サーマーン廟の王族の霊廟になりました。
モンゴルの侵攻により、サマルカンドが破壊された時に、この廟も大きな被害を受けてほとんど土中に埋もれていました。しかし1925年に発見されて、発掘調査が行われました。大きさ9mの四方で、壁の厚さ1.8m、レンガを積み上げた半球ドームの形の屋根の単純な構造です。
この時代はイラン文明とイスラムが融合したイラン・イスラム文化が最初に花開いた時期であり、この建物の造りにもそれが表れています。構造としては値方体とそれを覆うドームからなっていますが四隅の福ドームや側面の4つのアーチといった特徴はサーサ―ン朝期におけるゾロアスター教の神殿建築のものであります。また外壁の煉瓦はあらかじめ日光の角度により異なる陰影が現れることを見込んだ上で組まれていますがこうした高度な技術が可能だったのはやはりこの地域での科学、特に機何学の発達が背景にあったものと思われます。
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