ヌルスルタン【旧アスタナ】、カザフスタン

ヌルスルタンはカザフスタンの首都で、経済、政治、文化の中心地です。旧名がアスタナでしたが、カザフスタン大統領のヌルスルタン・ナザルバエフさんの名前にちなんで、ヌルスルタンに改名されました。昔の首都がアルマティでしたが1997年にアルマティからアスタナに遷都しました。しかし遷都された時に、首都名がアスタナではなくてアクモラという名前でしたが1998年にアスタナに改名されました。首都になってから官公庁がアルマティから移され、2030年までに人口100万人の新首都を作る計画です。1998年の10月に新首都の国際設計コンペで建築家黒川さんのプランが優勝し、地元の建築らと共同で具体的な設計を進めることが発表されました。

ヌルスルタンはアルマティから北西へ1224キロの北部に位置し、カザフスタンの国民経済省統計委員会によれば人口が102万人です。最近カザフスタンの地方から人口流入が急速に進んでいますから、ヌルスルタンの人口が増える傾向で、市の面積が約 723 平方キロメートルです。

首都が遷都された理由についてはカザフスタンの政府はまだはっきり説明していません。しかし主な理由が三つあると言われ、それらはアルマティが中国国境に近いことを踏まえて、国の中心地にある当時のアクモラにしたことやロシア人が多く住んでいるカザフスタン北部の分離独立を防ぐことやアルマティでの地震を避けて、地震が発生する可能性が比較的低いアクモラに移転したことなどです。ヌルスルタンは旧ソ連時代にツェリノグラードとロシア風の名前で呼ばれていましたがそのあと、アクモラ（白い土地の意味）と名付けられました。

古来のアクモラ（現在ヌルスルタン）はユーラシア地域とシルクロードを結ぶ中継地点として知られ、シルクロード時代に交易の十字路として有名でした。1830年にロシアの帝国は大きな要塞を建てて、アクモリンスキーという名前をつけます。要塞の建設が終わってから、交易路と通商の安全のために、ロシア農民の移住政策が行われました。その結果、カザフスタンでのロシア人の数が増えてきました。

アスタナは1950年代後半～60年代半ばにフルシチョフが行った大処女地開拓運動（カザフスタンの平原を小麦の大産地に転換するため、多くの移民が送り込まれた）の中心地として作られました。無機質な建物の間を広い通りが整然と走る典型的なソ連都市です。住民の大半はロシア人とカザフ人ですがそれ以外にも多民族国家であるため、ウィグル人とドゥンガン人も住んでいます。

ヌルスルタンは乾燥化した広大な大草原に位置しています。気候は大陸性で、天候が非常に変わりやすく、風が強いです。強い風が頻繁に吹き、11月から3月まで雪に覆われています。冬季は非常に寒くて、気温がマイナス30度以下まで下がる可能性があります。この時期はヌルスルタンの街市内の道路は滑りやすくなり、街を歩くのが難しくなってきます。

夏季の気温がプラス45度まで上がり、日ざしが強いです。この時期にはヌルスルタン周辺の村で水不足の問題が発生し、大変な時期になります。春と秋は暑くもない、寒くもないので過ごしやすいです。

ヌルスルタンの町を流れる有名なイシム川があり、この川により都市が大きく二つに分かれています。このイシク川の南側が新しく建設された「未来の都市」と言われるヌルスルタン市の新しい部分で、北側が旧ソ連時代に建設された古い都市の部分です。

ヌルスルタンのメインストリートの名前がレスプブリカ（共和国という意味）大通りで、主に南から北に延びる道です。レスプブリカ通りともう一つの大きいメイン通りのアバイが交差するところからイシム川の橋まで高級なカフェ・レストラン、スーパー、商店、両替場などあり、いつも人々でにぎわっています。

この共和国通りで南に行って、イシム川の橋を渡ると新町に入ることが出来ます。ここからコバンバイ・バートルという大通りとなり、西の方に行くとヌルスルタンの中央公園の南に大きな水族館があります。

南下したら、スターリン様式建築のトリウンプ、サーカスがあり、これらを歩きすぎたら高架橋があります。ここからはまず町の新しいビルや景色を眺めながら、ヌルスルタンの主な観光スポットの娯楽施設のハーン・シャディ―ル、バイテレク・タワーやその奥には大統領府があります。このあたりはヌルスルタンの中心地で、主な観光名所が集中する場所です。日本の有名な建築家の黒川さまの設計により建設された場所です。