カザフスタンを代表する世界遺産の一覧をバッチリ紹介しますから、カザフスタンの観光を予定する旅行者は参考にしてください。
カザフスタンはシルクロードの中継地点として栄えた国でありましたから、観光客を魅了する世界遺産の歴史的な遺跡や廟、岩絵群などがたくさん残存しています。中央アジアの北部に位置するこの国はユニークな歴史の建造物だけではなく、古代から牧畜や狩猟で生計を立てる遊牧民が暮らしていますから、カザフスタン固有の遊牧文化や伝統を味わって、どこまでも広がる大草原や4000mの天山山脈の絶景を満喫をするにも最高の場所です。
世界第9位の面積を誇る大草原のカザフスタンでは世界遺産として登録されているカザフスタンの3ヵ所の文化遺産と2ヵ所の自然遺産、合計5ヵ所の世界遺産があります。
ホジャ・アフメド・ヤサウィはカザフスタン南部に位置する聖都のトルキスタンにある世界遺産の霊廟です。イスラム教の有名な伝道者ヤサウィさんが葬られたところで、ティムールの命令により建設されたイスラムの建造物です。1390年にティムールの指導で元々あったものを拡大する形で建設が始まりましたが途中でティムールが死亡したため、正面入り口の部分は未完成のままです。内部にはヤサウィの墓石の他、青銅製の巨大な鍋がありますがこれはティムールが寄贈したものです。世界遺産として登録されたのが2003年です。
ヤサウィ教団は有力なイスラム神秘主義教団で、ナクシュバンディ一派、クフラウィー派と並び、中央アジア三大教団の一つです。歴史には特にテュルク系遊牧民のイスラム化に重要な役割を果たしました。例えばジャイバニー朝がバーブルによってサマルカンドを占領された際、ウズベク人の遊牧民たちがこの廟の前に集結して勝利を祈願した上で、その奪回に向かったとされます。
この廟について詳しくはこちら ホジャ・アフメド・ヤサウィ廟
5000点以上のユニークな岩絵を誇る世界遺産のタムガリ岩絵野外博物館です。青銅器時代の紀元前14世紀に描かれた狩猟をしている人やヤギと様々な動物などの珍しい絵がたくさん残っていますから、タムガリの世界遺産を見学する価値があります。タムガリ岩絵の芸術性が高く評価されているので、世界の色々な国からの観光客が魅了され、多くの考古学者や歴史学者の注目が集まっています。
2004年に、中央アジアに残存した岩絵群の中で、初めてユネスコの世界遺産として登録されました。最大の面積を持ち、世界遺産カザフスタン旧首都のアルマティから180キロのところに位置し、車で片道3時間くらいの距離になります。
詳しくはこちら タムガリ岩絵群・遺跡
シルクロードはヨーロッパと中国、東と西を結んでいて、貿易だけではなく、伝統・習慣などの文化や宗教を広める重要な役割を果たしていました。シルクロードのルートがたくさんありましたがその中に最も有名なのが交易路の起点である長安から天山山脈の南北・天山回廊を通るルートで、このルートが2014年にユネスコの世界遺産として登録されました。登録されたのが天山回廊だけではなく、このルートに位置する33ヵ所の有名な都市遺跡もです。
長安から天山回廊を通るルート（カザフスタン、キルギス、中国）の長さは全部で8710キロで、ルート沿いの遺跡がキルギスとカザフスタンと中国が共有する世界遺産であります。
西天山はカザフスタンだけではなく、キルギスとウズベキスタンの3カ国が共有する世界遺産で、登録されたのが2016年です。西天山はカザフスタンの南部（キルギス共和国との国境に近い方）にあり、天山山脈の西側部分です。自然愛好家の観光客にとっては一番魅力的なところはこの西天山山脈の中にアクスージャバグル自然保護区です。なぜならこの保護区でハイキングや高山植物やチューリップの花観察をするには最高のだから場所です。
サリャルカはカザフスタンの北部に位置する「黄色い山脈」という意味の地方の名前であり、カラガンダ市から254キロ離れています。2008年にユネスコの自然遺産として登録されたから、世界的に有名になりました。サリャルカの最も有名なところはナウルズム国立自然保護区とコガルジュン国立自然保護区で、ここに珍しい植物と動物が生息しています。この自然保護区はヨーロッパや南アジア、アフリカからの渡り鳥にとって、停留地になっており、湿地帯があります。コガルジュン国立自然保護区ではフラミンゴが生息していますから、運が良ければ見ることが出来ます。
カザフスタンの手つかずの自然に触れるなら、サリャルカをおすすめします。
